Nine Lives日本盤ようやく登場

でかい画像で失礼します(^_^;
ようやく『Nine LIves』の日本盤が発売になりました。
もちろん、この赤いのはDVDつきの初回限定盤で少々値ははりますが、通常のプラケース仕様の輸入盤とちがい、こちらはデジパックになってますし、まだ入手していない方は断然こちらがお薦め。
DVDはもうスティーヴのファンなら卒倒しかねないような内容です。スティーヴのお宅訪問、愛犬とスティーヴ、環境保護にいそしむスティーヴ、長靴で闊歩するスティーヴ、とミーハーファンも大満足ですが(?)インタビューの内容以上に、本人の一挙手一投足がその音楽の独自性とぴったり一致して、もう何度見ても幸せな気持ちになれてしまう素晴らしいドキュメンタリー。改めて思う天然、無自覚?の才人ぶり。ミュージック・ビジネスの世界において、こんな人はどこにもいないと確信します。やはり一生ついていこうと思ってしまいました。
アルバムのほうも私は入手してからひと月余り聴き続けていますが、それにしてもホントに飽きないですね。『About Time』も信じられないくらい飽きないアルバムでしたが、こちらも甲乙付けがたい。
なんでこんなに飽きないんだろうか。たぶんこれを聴いて、派手と感じる人は多くないと思うし、引っかかりがない、物足りない、なんていう感想もネット上で見かけたけど、そう書いてた人も聴くのをやめられなくなってるニュアンスもあったりして。「うーん、なんだこれ、なんか変だな。もう一回アタマから聴いてみよう…」みたいな。
最近は音楽もどんどんリリース、聴き飛ばされて、リスナーは一つの作品にじっくり向かい合うなんてことも減っている風潮じゃないかと思うし(もちろん自分もです)、刺激の強いもの、味の濃いものはたくさんあるので、これを地味と感じてしまう人もいるかもしれません。今の録音技術を駆使すれば、完璧でスキのない音楽なんていくらでも作れるし、また若くて驚異的なテクニックと感性を持った才能あるミュージシャンも山ほど出てきている時代です。
しかしよ~く聴いた方がいいです。反対意見がたくさんあるのを承知で書きますが(^^ゞ、『Nine Lives』と『About Time』には、『Roll with It』や『Junction 7』には正直なかったけど『Steve Winwood』『Arc of A Diver』そして『Back in the High Life』にはあった"マジック"が確実に存在している、というのが個人的見解。たぶんスティーヴは長年考えに考え続け、自分の作る音楽をどうすればいいのか、21世紀を迎えてようやく何かを掴んだんだと思います。
この一聴"地味"な音楽の広大なバックボーン、なぜここに至るのか、なぜスティーヴが今もって"天才"と言われ続けるのか、思いを巡らせれば巡らせるほど、再びプレイボタン押したくなる。単なるハモンドのロングトーンひとつに、実はものすごい情報量を含んでいる、これは驚くべきレコード(と書きたくなる)なわけですよ。
そんな風に繰り返し聴くにつれ、スティーヴならではの雄大なグルーヴにすっかり飲み込まれて、魔力を実感できるハズです。
ちなみにこちらやこちらやこちらでも好き放題勢いまかせに書きまくっておりますが、こんな駄文など読まずともいつまでも楽しめる『Nine Lives』。一家に一枚ぜひ。
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続編好き?

『Nine Lives』がある意味、『About Time』の続編的な側面を持っていることは、スティーヴ自身も認めるところですが、こういった同ベクトルのアルバムが2枚続く傾向は、特に70年代後半以降活動のほとんどで見られることがわかります。
わかりやすいところでは80年の2nd『Arc of A Diver』と82年の3rd『Talking Back To The Night』は完全ワンマン録音の2連作でしたし、次の86年4th『Back in the High Life』と88年の5th『Roll with It』は逆にミュージシャンを大勢使った賑々しい作風という意味では連作のイメージもありました。
思えば77年の初ソロ『Steve Winwood』にしても、ジム・キャパルディの参加もあって、トラフィック74年の『When The Eagle Flies』が持っていた世界をよりヴィヴィッドに進化させた内容にも聞こえてくるし、トラフィック94年の再結成盤『Far From Home』はその4年前のソロ作『Refugees of the Heart』の世界観をキャパルディと二人で拡大したようでもある、ということで、それぞれ続編的な感触を持ったペアではないか、という風に感じられます。
そう考えると97年の7th『Junction 7』は何かぽつねんと取り残されているように感じる訳ですが、コンテンポラリーなプログラミング・サウンドは『Far From Home』での実践をそのままナラダ・マイケル・ウェルデンに委ねてみたようでもあるし、ラテン・パーカッションの味わい、もっといえばトラフィックの再編ツアーから『Junction 7』を経て『About Time』のツアーまで参加しているウォルフレイド・レイエスJr.の存在が、94年からの音楽性の推移の中で重要な役割を担って、スティーヴの変化に影響を与えていたようにも思え、これまた興味深く見えてきます。
さらに『Back in the High Life』のデモ音源というのがかつてブートで出回っていまして、これが打ち込みで一人作っているものなんですが、どう聴いても『Arc~』や『Talking~』の延長上の音なんですね。ここにプロデューサーのラス・タイトルマンという違った力を加えることであのアルバムができあがった訳で、『Back in~』が決して突然変異だったのではないこともわかります。(Backという単語が共通してる、なんてのはコジツケでしょうが…)
要は2つ連作を作るのが好き、という話でも、成功したから二匹目のドジョウを…ということでもなく、一枚作ったら、そこで得たものをさらに拡大なり進化なり深化させたくなるのだろうし、どれにも確実に次につながる何かが入っている。もちろんこれはスティーヴにだけ見られる傾向というわけではないし、うまくいったものも、そうではないものもある気はしますが、彼の音楽との関わり方が出ているんじゃないでしょうか。
突如テクノやパンクになったり、カントリーになったりするニール・ヤングや、アレンジや歌い方をコロコロ変えたりするボブ・ディランといった人は、シンガー&ソングライターの核がドーンとあるがゆえの浮気なサウンド指向だったりすると思うのですが、純然たるシンガー&ソングライターとは少し違ったタイプのスティーヴは、サウンドと曲、歌詞などを全て同列にとらえた音楽全体でものを考える人だろうし、音楽そのものに必ず過去と現在を繋ぐものが見えるのも、いろいろなものを注意深く消化して、ゆっくり自分のものにしていく彼の資質に所以するものかもしれません。
そんなことにポイントを置いて、数あるスティーヴのアルバムを並べて聴いてみるのも、また楽しいんじゃないかという気がします。
Tha Scara速報!


5月19日、ロンドンのTha Scaraでのショウが無事終了した模様。
ライヴを観に行かれたロンドン在住のa_soさんが早速当日のライヴレポをアップしてくださいました(ありがとうございます!)ので、リンクさせていただきました。写真とセットリストはyasushさん&suzyさんthanks!
スティーヴのMy Spaceのブログによれば、セットリストは以下の通り。
1. Secrets
2. I'm a Man
3. Hungry Man
4. Can't Find My Way Home
5. Had to Cry Today
6. We're All Looking
7. Fly
8. Keep on Running
9. At Times We Do Forget
10. Raging Sea
11. Light Up or Leave Me Alone
12. I'm not Drowning
13. Dirty City
14. Higher Love
15. Other Shore
16. Gimme Some Lovin

基本的にはNYでやったものと近い感じですが、今回は"I'm Not Drowning"も入っていて、新作は全曲演奏したようですね。あと、NYではやっていなくて、今回投入されていた曲は"Keep on Running"と"Higher Love"といったところ。
ところで今気づきましたが、この2つのライヴで演奏されたトラフィック・ナンバーはジム・キャパルディ作の"Light Up or Leave Me Alone"1曲のみなんですよね。意外なことに。
いよいよ始まるトム・ペティとのツアーでは、どんな内容でくるのでしょうか。
Good Morning America

ABCのGood Mornig America出演時に演奏した"Hungry Man"が見られるようになってます!(shigeさん情報thanks!)
それから、先日のLate Show with David Lettermenでの"Dirty City"もアップされました。
いずれも要チェック!
レコード・コレクターズ6月号で大特集!

このところ雑誌媒体への登場も目立ってきたスティーヴですが、日本の音楽雑誌にもちょこちょこ取り上げられはじめていますね。
そこで真打ち登場(?)というわけで明日15日発売のレコード・コレクターズは久々にスティーヴ・ウィンウッド特集です!快挙!
今回はやはりクラプトンとのマジソン・スクエア・ガーデン公演の後ということで、ブラインド・フェイスにも焦点を当ててはいますが、『Nine Lives』については勿論、スペンサー・デイヴィス・グループ、トラフィック、ソロなど全てのキャリアもしっかり網羅してますし、オリジナルアルバム未収録音源やセッション活動、スティーヴとは関わりの深いアイランド・レーベルについての記事などもしっかりまとめられており、ウィンウッド初心者の方のガイドとしても使える内容になっています。
今回は表紙デザインもかなり秀逸な出来映えですよね!
レココレの第一特集でとりあげられるのは、1988年8月以来、約20年ぶり(!)ということで、前回も楽しませてもらった私としてはちょっと感慨深かったりします。せっかくですので、こちらも表紙写真で振り返ってみることに。傷だらけですけど…。

Steve Winwood Speaks to the Berklee Class of 2008
5月8日、バークレー音楽大学から名誉博士号を授与されたスティーヴは、同大学のBerklee Commencement Concert 2008と題したボストンでのスペシャル・コンサートに出演。ゲストは他にフィリップ・ベイリー、ローザ・パッソス、ハワード・ショーという顔ぶれで、卒業生のプレイの合間に登場するような形で8曲ほど演奏したそうです。
(5/27追記)こんな映像も登場!(shigeさん情報Thanks!)
さらに10日の卒業式ではスピーチも披露!
この格好が赤かったらいいのにと思うのは私だけでしょうか…。
(5/27追記)こんな映像も登場!(shigeさん情報Thanks!)
さらに10日の卒業式ではスピーチも披露!
この格好が赤かったらいいのにと思うのは私だけでしょうか…。
The Low Spark of High Heeled Boys/Traffic
本日5月12日、スティーヴ・ウィンウッドさん60回目のお誕生日です。
HAPPY BIRTHDAY STEVE!!!
ついに還暦ですが、ますますお元気で頑張っていただきたいですね~。
ということで、まったく脈絡なく、71年のトラフィックの話。
70年はトリオでライヴをやり続けたトラフィックは、さすがに少し楽になりたかったのか(?)この年の終わりにはリック・グレッチをベーシストに迎えて4人で活動しはじめ、71年にはリズムセクションにジム・ゴードン(Dr)、リーバップ・クワク・バー(Perc)を補充し、ジム・キャパルディがヴォーカルに専念するためフロントに移動。さらにデイヴ・メイスン(Vo&Gt)までもが復帰、合流した7人編成でコンサートをやり、この面子でなぜかトラフィックを名乗っていないライヴアルバム『Welcome To The Canteen』を発表します。しかしこの夏のグラストンベリー・フェスには、この顔ぶれでトラフィックとして出演していて、ドキュメンタリー映画も撮影され、最近になって『Glastonbury Fayre』としてDVD化されました。その中で"Gimme Some Lovin"を賑やかに演奏するトラフィックが手軽に見られるようになったのは嬉しい!
どちらかというとゲスト参加のような形だったデイヴはツアー後に離脱、9月にスティーヴの初セルフプロデュースでロンドンでレコーディングされ、11月にリリースされたのが、謎の六角形ジャケでお馴染み、『The Low Spark Of High Heeled Boys』でした。

なんといっても印象に残るのは11分半を越える長大なタイトル曲。大きく間合いをとったスティーヴのピアノを中心に、クリス・ウッドの1拍目抜きの変なリフや不気味なインプロビゼーション、リーバップのコンガなども効果的にちりばめて、蒼い炎が揺らめくような世界が展開して飽きさせません。これぞトラフィックの真骨頂でしょう。このちょっと不気味で呪術的な感じはラストの"Rainmaker"にも共通するところで、アルバム全体にも通底するムード。ジャズやフォークやソウルなど、いろんな音楽の混合であると同時にトラフィックにしかできないサウンドなのが素晴らしいのです。このアルバムのスティーヴの歌は、徹頭徹尾出力を押さえた超クールなもので、これまたカッコ良いのですが、翌年大病を患って入院することになる本人としては、体調はあまり良くなかった、という見方もあるかも…。
フロントに出てきたジム・キャパルディは2曲でリード・ヴォーカルを披露。プロデューサーのスティーヴとしては、トラフィックが自分のワンマン・グループではないことを示したかったのかもしれません。自作の"Light Up or Leave Me Alone"、ジム・ゴードンとリック・グレッチの共作"Rock'n Roll Stew"いずれもスマートなワイルドさを持ったいい歌を聴かせてくれます。ジムは3年前に亡くなるまで、スティーヴよりはるかに多い16枚ものソロアルバムを出して精力的に活動し続けたわけですが、そのスタートがこの2曲だった、といえるでしょう。この2曲ではスティーヴはギターをバリバリ弾いていますね。
さて、BGMがわりにおひとつ…
あまりライヴで演奏されなかった2つの名曲がオープニングのこの"Hidden Treasure"とラスト前の"Many A Mile to Freedom"。一時期のフェアポート・コンヴェンション的なダークさを持った前者は、ブリティッシュ・トラッド以外にも様々なエスニック・ミュージックの要素も感じられ、楽器編成は普通なのにクリスのフルートやチャランゴっぽいフレーズのアコースティック・ギターのせいか、南米のフォルクローレのようにも聞こえてきたりもします。
後者は押しと引きのリズム・アレンジと絶妙のコードワークが冴えるスティーヴ流ポップミュージックの傑作。印象的なエレクトリック・ピアノのリフに始まり、中盤のギター・ソロがまた、音使いといい構成といい、スティーヴらしい出汁の効きまくった名演! クリスのフルートが荒涼とした風景を感じさせるのもまたトラフィックらしさ。ブラインド・フェイスではいまひとつ遠慮がちに聞こえたリック・グレッチも、まるでチャック・レイニーみたいな渋派手?なベース・プレイ。こんなにカッコ良い演奏ができたんですね~。
ということでこの曲もぜひどうぞ。個人的にトラフィックのベスト5に入る名曲だと思うんですが。
71年のライヴではこの2曲も演奏していますが、残されているブート音源などではどちらもなぜやらなくなってしまったのかわからないくらい素晴らしい出来。"Many A Mile to Freedom"ではクリスがエレクトリック・ピアノにまわり、スティーヴはギターを弾いていたようです。名手ジム・ゴードンのスティックワークが聴ける唯一の年でもあるし、ちょっと良い状態のライヴ音源をぜひ発掘してオフィシャル化してほしいものです。
このラインナップでのライヴ写真は非常に貴重!スティーヴは何かストラトでもファイアーバードでもない妙なギターを持っているように見えますが…。

個人的にはこのアルバムのスティーヴ作品はすべて、メジャー・キーとマイナー・キーが絶妙に混在してる感じが魅力だと感じてまして、このあたりも彼の曲作りの巧みさ。こういった曲調の中で、うまくブルーノートの混じったメロディを溶け込ませる技も実に洗練されているんですよね。一個一個説明していくと、またとんでもなく長文になってしまうんで避けますが、3度の音が常に曖昧に浮遊してる感じ、といったらいいでしょうか。
これがアルバムの佇まいを超然としたものにしていて、何度も聴いてしまう中毒性に満ちていると思うのです。
あとはジム・キャパルディの不思議な歌詞の魅力なんかもあると思うのですが、その辺は英語の得意な方にぜひご教授願いたいところ。
HAPPY BIRTHDAY STEVE!!!
ついに還暦ですが、ますますお元気で頑張っていただきたいですね~。
ということで、まったく脈絡なく、71年のトラフィックの話。
70年はトリオでライヴをやり続けたトラフィックは、さすがに少し楽になりたかったのか(?)この年の終わりにはリック・グレッチをベーシストに迎えて4人で活動しはじめ、71年にはリズムセクションにジム・ゴードン(Dr)、リーバップ・クワク・バー(Perc)を補充し、ジム・キャパルディがヴォーカルに専念するためフロントに移動。さらにデイヴ・メイスン(Vo&Gt)までもが復帰、合流した7人編成でコンサートをやり、この面子でなぜかトラフィックを名乗っていないライヴアルバム『Welcome To The Canteen』を発表します。しかしこの夏のグラストンベリー・フェスには、この顔ぶれでトラフィックとして出演していて、ドキュメンタリー映画も撮影され、最近になって『Glastonbury Fayre』としてDVD化されました。その中で"Gimme Some Lovin"を賑やかに演奏するトラフィックが手軽に見られるようになったのは嬉しい!
どちらかというとゲスト参加のような形だったデイヴはツアー後に離脱、9月にスティーヴの初セルフプロデュースでロンドンでレコーディングされ、11月にリリースされたのが、謎の六角形ジャケでお馴染み、『The Low Spark Of High Heeled Boys』でした。

なんといっても印象に残るのは11分半を越える長大なタイトル曲。大きく間合いをとったスティーヴのピアノを中心に、クリス・ウッドの1拍目抜きの変なリフや不気味なインプロビゼーション、リーバップのコンガなども効果的にちりばめて、蒼い炎が揺らめくような世界が展開して飽きさせません。これぞトラフィックの真骨頂でしょう。このちょっと不気味で呪術的な感じはラストの"Rainmaker"にも共通するところで、アルバム全体にも通底するムード。ジャズやフォークやソウルなど、いろんな音楽の混合であると同時にトラフィックにしかできないサウンドなのが素晴らしいのです。このアルバムのスティーヴの歌は、徹頭徹尾出力を押さえた超クールなもので、これまたカッコ良いのですが、翌年大病を患って入院することになる本人としては、体調はあまり良くなかった、という見方もあるかも…。
フロントに出てきたジム・キャパルディは2曲でリード・ヴォーカルを披露。プロデューサーのスティーヴとしては、トラフィックが自分のワンマン・グループではないことを示したかったのかもしれません。自作の"Light Up or Leave Me Alone"、ジム・ゴードンとリック・グレッチの共作"Rock'n Roll Stew"いずれもスマートなワイルドさを持ったいい歌を聴かせてくれます。ジムは3年前に亡くなるまで、スティーヴよりはるかに多い16枚ものソロアルバムを出して精力的に活動し続けたわけですが、そのスタートがこの2曲だった、といえるでしょう。この2曲ではスティーヴはギターをバリバリ弾いていますね。
さて、BGMがわりにおひとつ…
あまりライヴで演奏されなかった2つの名曲がオープニングのこの"Hidden Treasure"とラスト前の"Many A Mile to Freedom"。一時期のフェアポート・コンヴェンション的なダークさを持った前者は、ブリティッシュ・トラッド以外にも様々なエスニック・ミュージックの要素も感じられ、楽器編成は普通なのにクリスのフルートやチャランゴっぽいフレーズのアコースティック・ギターのせいか、南米のフォルクローレのようにも聞こえてきたりもします。
後者は押しと引きのリズム・アレンジと絶妙のコードワークが冴えるスティーヴ流ポップミュージックの傑作。印象的なエレクトリック・ピアノのリフに始まり、中盤のギター・ソロがまた、音使いといい構成といい、スティーヴらしい出汁の効きまくった名演! クリスのフルートが荒涼とした風景を感じさせるのもまたトラフィックらしさ。ブラインド・フェイスではいまひとつ遠慮がちに聞こえたリック・グレッチも、まるでチャック・レイニーみたいな渋派手?なベース・プレイ。こんなにカッコ良い演奏ができたんですね~。
ということでこの曲もぜひどうぞ。個人的にトラフィックのベスト5に入る名曲だと思うんですが。
71年のライヴではこの2曲も演奏していますが、残されているブート音源などではどちらもなぜやらなくなってしまったのかわからないくらい素晴らしい出来。"Many A Mile to Freedom"ではクリスがエレクトリック・ピアノにまわり、スティーヴはギターを弾いていたようです。名手ジム・ゴードンのスティックワークが聴ける唯一の年でもあるし、ちょっと良い状態のライヴ音源をぜひ発掘してオフィシャル化してほしいものです。
このラインナップでのライヴ写真は非常に貴重!スティーヴは何かストラトでもファイアーバードでもない妙なギターを持っているように見えますが…。

個人的にはこのアルバムのスティーヴ作品はすべて、メジャー・キーとマイナー・キーが絶妙に混在してる感じが魅力だと感じてまして、このあたりも彼の曲作りの巧みさ。こういった曲調の中で、うまくブルーノートの混じったメロディを溶け込ませる技も実に洗練されているんですよね。一個一個説明していくと、またとんでもなく長文になってしまうんで避けますが、3度の音が常に曖昧に浮遊してる感じ、といったらいいでしょうか。
これがアルバムの佇まいを超然としたものにしていて、何度も聴いてしまう中毒性に満ちていると思うのです。
あとはジム・キャパルディの不思議な歌詞の魅力なんかもあると思うのですが、その辺は英語の得意な方にぜひご教授願いたいところ。
プロモーション奮闘中2
5/6のデヴィッド・レターマン"The Late Show"出演時の"Dirty City"映像も出てきました。
最近はTV出演ものも日本にいながらにして確認できちゃうスゴい時代になりましたね…。
例によってまたこの坊主頭のおじさんの解説つきですが…。
たぶんもうしばらくすると、さらに良い画質のものが番組オフィシャルサイトの"Live on Letterman"のコーナーにアップされることも予想されます。
さらに7日にはABCのThe Viewという番組で、なんと司会のウーピー・ゴールドバーグをコーラスに迎えて"Higher Love"を演奏。
こちらの番組のサイトで早くもその模様が見られます。左のMore Videoを右にスクロールしてスティーヴの顔をクリック。演奏後がけっこう笑えます…。
ほかに"Dirty City"も演奏したようですが、その模様もYouTubeで発見!何でも出てくるなあ…。
(追記)さらにウーピー入り"Higher Love"も上がりました!
なお、『Nine Lives』はなんとビルボードで初登場12位!
メジャー配給とクラプトン効果もプラスに働いているとは思いますが、久々にヒット!といえるんじゃないでしょうか。
最近はTV出演ものも日本にいながらにして確認できちゃうスゴい時代になりましたね…。
例によってまたこの坊主頭のおじさんの解説つきですが…。
たぶんもうしばらくすると、さらに良い画質のものが番組オフィシャルサイトの"Live on Letterman"のコーナーにアップされることも予想されます。
さらに7日にはABCのThe Viewという番組で、なんと司会のウーピー・ゴールドバーグをコーラスに迎えて"Higher Love"を演奏。
こちらの番組のサイトで早くもその模様が見られます。左のMore Videoを右にスクロールしてスティーヴの顔をクリック。演奏後がけっこう笑えます…。
ほかに"Dirty City"も演奏したようですが、その模様もYouTubeで発見!何でも出てくるなあ…。
(追記)さらにウーピー入り"Higher Love"も上がりました!
なお、『Nine Lives』はなんとビルボードで初登場12位!
メジャー配給とクラプトン効果もプラスに働いているとは思いますが、久々にヒット!といえるんじゃないでしょうか。
5/4速報!

5/4にニューヨークのBlender Theatre at Gramercyで開かれた『Nine Lives』発売後初めてのショウのセットリストが判明しました(thanks suzy & yasush!)。
1. Secrets*
2. I'm a Man
3. Raging Sea*
4. We're All Looking*
5. Can't Find My Way Home
6. Had to Cry Today
7. Fly*
8. Hungry Man*
9. At Times We Do Forget*
10. Light Up or Leave Me Alone
11. Back in the High Life Again
12. Crossroads
13. Dirty City*
14. Other Shore*
15. Why Can't We Live Together
16. Gimme Some Lovin
(* New Songs)
新曲は"I'm not Drowning"以外はすべて演奏されたようです。
プロモーションで演奏していた"Higher Love"や、定番の"Dear Mr.Fantasy"を敢えて外してきたのは意外ですが、当然ニューアルバムの曲をばっちりフィーチャーしてきましたね。
トム・ペティとのライヴの前に、イギリスでもワンマンがありますが、さてどうくるか。
プロモーション奮闘中
『Nine Lives』のプロモーション中のスティーヴですが、アメリカのTVにもいくつか登場。徐々にあちこち露出しはじめていますね。
5月2日にABCのGood Morning Americaに登場。ラテン調"Higher Love"と"Dirty City"を披露。どちらも中盤の展開部分のない短縮版ですね。ちょっとレベルオーバーで音割れ気味。それとスティーヴについて語るこのツルツルの方は???
5月4日、NBCのWeekend Todayではニューヨークのロックフェラー広場でこれまた"Higher Love"。こちらは音&映像ともに極上!
なんだか"Higher Love"ばっかりやってる気がしなくもないですが、
かなり斬新なアレンジで、なかなかのインパクト。元バージョンもイントロのパーカッションなど、ラテン的な感じはありましたし、ブリッジ部分のキメなど実にカッコよくて、やはり現ウィンウッド・バンドの驚異のポテンシャルにぶっ飛ばされます。スティーヴの足技もこれだとけっこう拝めますが、よく歌いながらこんな芸当ができるもんです…。
でも新作からの曲ももっと希望!
もうひとつ、5月2日WNYCラジオ出演時のインタビューも。
全キャリアについていろいろ話してます。
5月2日にABCのGood Morning Americaに登場。ラテン調"Higher Love"と"Dirty City"を披露。どちらも中盤の展開部分のない短縮版ですね。ちょっとレベルオーバーで音割れ気味。それとスティーヴについて語るこのツルツルの方は???
5月4日、NBCのWeekend Todayではニューヨークのロックフェラー広場でこれまた"Higher Love"。こちらは音&映像ともに極上!
なんだか"Higher Love"ばっかりやってる気がしなくもないですが、
かなり斬新なアレンジで、なかなかのインパクト。元バージョンもイントロのパーカッションなど、ラテン的な感じはありましたし、ブリッジ部分のキメなど実にカッコよくて、やはり現ウィンウッド・バンドの驚異のポテンシャルにぶっ飛ばされます。スティーヴの足技もこれだとけっこう拝めますが、よく歌いながらこんな芸当ができるもんです…。
でも新作からの曲ももっと希望!
もうひとつ、5月2日WNYCラジオ出演時のインタビューも。
全キャリアについていろいろ話してます。